この日から、あたしは雄也のことを意識しはじめた。

「紗李歌?」


今、雄也があたしの目の前にいる。


ドキドキしすぎて、少しやばい…。


「んっ?何?ごめんっ」


「誤んな☆何かさ、紗李歌最近ぼーっとしてるの多いなって思って。」


「や…それは、色々と…」

「何?色々って。」


「…恋、とかかな?」


少し、頬に熱を感じる。
顔が赤くほてっていく。


「紗李歌、好きなやついるんだ…。」


そぅ言った雄也の目は、あたしを見ているはずなのに、どこか遠くを見ているようで切なかった。