「到着〜♪♪」









私達は目的地である、ビルの屋上に着いた。













「咲、こっちこっち。」

勇人は金網の前で手招きしている。



「う、うん。」






本当は少し、高くて怖かった。







そんな私を見て察知したのか、勇人は優しい顔を浮かべた。










「大丈夫!!僕が居るって♪」








そう言われた途端肩の力がスッと抜け、勇人のもとへゆっくりゆっくり歩いて行った。








すると、勇人は背後から私の両腕を横いっぱいに広げ、耳元で囁いた。











「目をつむって。」









目を閉じた瞬間風が私の体全身を覆った。












うわぁ〜、気持ちいい…。なんだか鳥になったみたい。













2人しか居ない屋上は、物静かで、車のクラクションか風の音、そしてシャッター音しか聞こえなかった。











「目をゆっくり開けて。」







次に待ち構えていたのは、茜色の大空。




今にも零れ落ちんばかりの夕日。








「ど、どうした?!?!」









「ん??」















気が付くと、私の目から涙が。









「え〜?!?!何で私泣いているんだぁ???」









テンパる私を見て勇人は笑っている。









「ねぇ、咲。






他の人に見せたくない。」





「何を??」












「咲を。」






「はっ?!?!」










「僕の彼女になってくれませんか???」








はぁ〜?!?!?!