「今さっきの彼氏さんでしょ?女の人といたじゃないですか」


気付いてたんだ・・・。



「うん・・・」


胸が痛む。



「俺じゃダメなんですか・・・?」



今にも消えそうな声で佐藤は問いかけてくる。



「あたしは・・・竜也だけなの・・・」



重たい空気が流れる。



沈黙を破ったのは佐藤の一言だった。



「はぁ・・・諦めます」



「え?」



「でも、先輩がまたそんなだったら俺いつでも奪いに行きますからね」



奪うって・・・


あたしは頬が赤くなった。



「うん・・・ごめんね。ありがとう」



「いいえ。それより早く彼氏さん探したほうがいいんじゃないんですか?俺も手伝いますから」



いつの間にか観覧車は1周回っていた。