「おっ、あった。多分これだな」
程なくして、突然コウヅキがバッグの中から、何かを取り出してきた。
見ると、陶器製の兎の形をした、小さな置物である。
ピンク色の兎が人参を3本抱えた絵柄の、特に変わったところのない、ごく普通の置物だった。
「これが、何だってんだ?」
座っているコウヅキの肩に腕を置いたフィートが、近付いてそれをしげしげと見詰める。
「まあ見てな。…おい、ナイフ貸してくれ」
そう言うとコウヅキは、トヲルの目の前に手を出した。トヲルは一瞬躊躇いを見せたが、言われた通りに、先程また拾ったナイフを、ポケットから取り出す。
コウヅキは刃を閉じたままで、ナイフの柄の部分を下に握ると、いきなり手に持っている置物を叩き壊し始めた。
中が空洞になっていたので、2、3回叩いただけで、すぐにそれは破壊された。
「ちょっ、コウヅキ!?俺の『戦利品』に、なんてことしやがるんだっ!」
フィートが血相を変えて、割れた置物に駆け寄ってきた。多少、涙目になっているような気さえする。
「俺はこの中のモノに用があるんだ。それにどうせ、それほど価値のある代物じゃねぇんだし、別に無くなったっていいじゃねぇか」
「そんな問題じゃ…て、ぁああー?」
破片を名残惜しそうに、手に取って見ていたフィートが、突然大声を上げた。
程なくして、突然コウヅキがバッグの中から、何かを取り出してきた。
見ると、陶器製の兎の形をした、小さな置物である。
ピンク色の兎が人参を3本抱えた絵柄の、特に変わったところのない、ごく普通の置物だった。
「これが、何だってんだ?」
座っているコウヅキの肩に腕を置いたフィートが、近付いてそれをしげしげと見詰める。
「まあ見てな。…おい、ナイフ貸してくれ」
そう言うとコウヅキは、トヲルの目の前に手を出した。トヲルは一瞬躊躇いを見せたが、言われた通りに、先程また拾ったナイフを、ポケットから取り出す。
コウヅキは刃を閉じたままで、ナイフの柄の部分を下に握ると、いきなり手に持っている置物を叩き壊し始めた。
中が空洞になっていたので、2、3回叩いただけで、すぐにそれは破壊された。
「ちょっ、コウヅキ!?俺の『戦利品』に、なんてことしやがるんだっ!」
フィートが血相を変えて、割れた置物に駆け寄ってきた。多少、涙目になっているような気さえする。
「俺はこの中のモノに用があるんだ。それにどうせ、それほど価値のある代物じゃねぇんだし、別に無くなったっていいじゃねぇか」
「そんな問題じゃ…て、ぁああー?」
破片を名残惜しそうに、手に取って見ていたフィートが、突然大声を上げた。