「大半は召使い目的だが。子供を大量に買って、過酷な労働を強いるところもあるな。
大抵はマシンにやらせている仕事でも、細かい作業とかは人力じゃないと、無理なこともあるし。その分、マシンのメンテ代も浮くしな。
あと他には、虐待や性的欲求の捌け口にしたり、薬品なんかの実験のモルモットだったり。
普段から軍事訓練を受けさせて、兵士として戦場へ送り込んだり、だな。それにもっと酷い場合だと…」

「わぁっ、もういい、言わなくてっ!」

慌ててコウヅキの言葉を、途中で遮った。

「なんだよ。お前が聞いてきたから、俺が答えてやってるんじゃねぇか」

コウヅキは不機嫌な顔をしながら、文句を言っている。

だがトヲルは、これ以上刺激の強い話は聞きたくなかった。現実から目を背けてはいけないことくらい解ってはいたが、これ以上聞くのは辛かったのだ。

その残酷な現実を知り、トヲルは嘆息した。

「あの子達を救う方法って、ないのかな」