軽い衝撃を受けた。

「ああいう子供の大半は、戦災で親を亡くしたり、親の勝手で捨てられたりで、誰も引き取り手がいないってのが殆どなんだ。まだ小さい子供だから、誰の手も借りずに、独りでは生きていけないだろ?ブローカーがそういうのに目を付けて、取引しているんだよな」

「それって当然、違法だよね?」

「まあオモテは、な。だが、ウラではそうやって儲けている奴らもいるのが現実だ」

コウヅキはピンク色の天井を見詰めたまま、抑揚のない口調で答えた。

そう言われても、トヲルには納得できなかった。

「じゃあ、あの子達の人権とかって、どうなるんだろ。無理矢理あんな格好させられているのに、あんなに明るく笑って…本当は幸せじゃないはずなのに…」

「だが、あのマダムはこれでもマシなほうだぜ。
普通は、あまり気持ちのいい理由では買わないようなところが、殆どだから」

「例えばどんな?」

と、トヲルは何気なく聞いた。