(なっ、なんでコウヅキがここに!?)

全身から無言の威圧感を感じる。

(でもどうせ後から来るんだったら、最初から自分で取りに行けばいいのに)

トヲルはコウヅキが、何故自分に行かせたのかは解らなかったが、もし今、この一部始終をコウヅキが見ていたとしたら、先程考えた嘘をつけないことだけは理解した。

コウヅキが腕を組んだままで、手をひらひらと動かしている。「行け!」と言っているのだろう。

(あっ…わわわ、どうしよう。えーっと、ええと…)