「えっ!?僕が?」

『他に誰がいるでちか。
社長からはこの星をもっと詳しく調べたいから、鉱物の他に何かあればそれを入手してきて欲しい、ということも言われてるんでち。
しょのことは事前に君達にも、言ってあったはずでちけど?』

「…分かりました」

船長の有無を言わせぬ強い口調に押され、トヲルは仕方なくその言葉に従った。

ゆっくりと手を伸ばす。

慎重に紙に触れたつもりだったが、しかしそれは意外にも、簡単に剥がれてしまった。

更にライトで照らしてよく見ると、紙のように柔らかい材質ではなく、堅くて薄い石のようなものだった。表面には光沢があり、なにやら梵字のようなものまで書かれている。

それを確認した途端、また大きな揺れが起きた。

今度はそれほどのものではなかったのだが、トヲルは慌ててしまい、目の前の扉に思わず手をついてしまった。

そして先程までは開かなかった扉が、真ん中の切れ目から内側に、ゆっくりと開き始めたのである。