「その頬…腫れてるけど大丈夫?誰かに殴られたの?」
忘れていた嫌な記憶がよみがえり、心の底で黒い感情がうごめいているのがわかる。
「うん。ちょっと絡まれて…」
「誰に?」
姉さんは心底心配そうな顔をしている。
「真島ってやつ…」
真島の名前を口にしたとたん、黒い感情を抑えきれなくなった。
「あんなゴミはバラバラにされて内臓をぶちまけて生ゴミといっしょにゴミ箱に捨てられるべきだ。姉さんもそう思うでしょう?」
「……」
「……姉さん?」
「……夏美」
大好きな姉さんの声なのに、なんともいえない寒気と不快感が全身に、走った。
「……早く食べないとカレーが冷めちゃうよ?」