そのノックにヨシダが返事をすると、少しドアが開き若い男が顔を覗かせ、

「RIKKAさん本番でーす」

と告げてすぐに消えた。

その声にリッカは、

「よしっ!!」

と気合を入れ立ち上がり、そばにあったゴミ箱に飴を吐き出した。

ころころとゴミ箱の中を飴玉が踊る音がする。

リッカは鏡の前に立ち、右へ左へ向きを変え自らの姿をチェックし、満足したのか、ひとつ頷くと俺を振り返った。

「どう?」