「今夜は何のご用件かしら?」
「いや、なんか眠れなくて…。」
「なんか眠れなくて…って、オマエは乙女か!?」
「たまにはいいだろ。ケチな女め。」
「たまに~!?毎回だろうが!………で?何が不安?それとも不満?」
コイツはいつもそうだ。
俺の心を見透かしたみたいに、確信をついてくる。
それは、もうごまかしきれないほどに。
「不安なんだ。考え出したらキリがなくて、気がついたらいつもオマエの顔が浮かぶんだ。コイツなら俺を救ってくれるって。」
「あのね~、私はアンタのヒーローでもなんでもないの。私にアンタを救えないし、アンタも私を救えない。救えるのは自分自身だけなの。OK?」
「相変わらず愛がないねー。でもさ、俺達ずっとこのままでいれるよね?これからも一緒にいられるよな?」
「……それはどうかな。先のことなんてわかんないもん。」
と、とても弱々しい声で言った。