「アイツと同じなんだね…。」

「ん?」

「煙草。」

「あぁ。私、この匂い大好きなの。すごく落ち着く。だからこれに変えたの。」


小さな子供のように無邪気な笑顔でそう言ったよね。

俺は煙草なんて吸わなかったけど、君の大好きな匂いに包まれていれば君が愛してくれるんじゃないかって思ったんだ。
そんなわけないんだけど…。


仕草や話し方までアイツに似てる君は、どれだけアイツを想っているのかがわかる。

それでも毎週俺に抱かれる君はただの弱虫で、わがままな人だ。


今、このときアイツがこの場に現れたらどうなるんだろう。
馬鹿げてるけど、その状況を想定したときの君の驚いた顔が見てみたいとさえ思う。
そしてそんなことを想像しては君への欲望が駆り立てられるんだ。

悪趣味にもほどかあるな…。