裸で俺の腕に絡み付いて、眠る君。
この寝顔が俺だけのものだったらいいのに。
何度思っただろう。
君の全てが欲しいよ。
好きとか愛してるとか簡単な言葉では表せないくらいに。
君が起きないようにゆっくりと自分の腕を引いてベッドから出る。煙草に火を付けると、煙と共に匂いが広がる。
すると決まって君は目を覚ます。
「あっ、起こしちゃった?」
なんてわざとらしい言葉。
「ううん、今、何時?」
時計はちょうど夕方の5時になろうとしていた。
「1本くれる?」
箱から一本取り出して君に渡す。
フゥーっと煙を吐き出して、“最高…”と呟いた。
君と同じ香り。
そして君が何よりも好きな香り。
アイツの香り。
胸が痛くなるよ。