彼女は注文を聞きに来た店員に“アイスティー1つ”と告げた。
すぐに目線を目の前の俺に向ける。

「一週間振りなのに、もう随分会ってない気がする。会いたかった。」

柔らかく笑ってそんな言葉を放つ。

あぁ、君はなんて残酷なんだろうね。

俺は毎日だって君に会いたいのに、それを許してくれないのは君自身だろ?

俺とアイツの間でユラユラ揺れて。
その気にさせといて、期待させといて最後にはアイツの元に帰って行く。

わかってるさ。
それを承知でこうなったんだから。


だけど、時々思うんだよ。
全てを壊したいって。
この世界も、今こうして君を想う心も、君との関係も、アイツと俺の友情も…。
そして何よりも、目の前にいる君を…。