ジリリという機械的ななんとも耳障りな音が部屋中に響き渡る。
その音に少しでも抵抗するかのように、布団の中に顔を潜らせた。
少しだけ小さくなった音は、未だ泣くことに火の付いた赤ん坊のように止まることを知らない。
「……………………………………………………………。」
「あ゛ーもう!うっさいな!!」
仕方なく鳴り止まないそれに手を伸した。
ムクッと起き上がり、テーブルに置いてあるお気に入りの箱を手に取る。
そこから一本口に咥え火を付ける。
覚えたての味。
嗅ぎ慣れた匂いにしばし物思いに更ける。
今日は水曜日。
最悪で最高な一日が始まった。