「泣いてるの?」

困ったように私の顔を覗き込む。

「バカ…、こういうときは優しく抱き締めるもんでしょ………。」

“あっ、そっか”なんて言って抱き締めてくれた。
理想の王子様には程遠いけど、やっぱり私の王子様は幸伸しか有り得ない。

あの頃と同じで川のせせらぎが心地よかった。








「大きくなったら王子様になって、妙ちゃんを幸せにしてあげるよ。」

「本当に?約束だよ?」

「うん、だから妙ちゃんはお姫様だね!」




end