奈々は怒りながら
『はぁ!?ちょっと那智にその事話した??』





『いや…まだなんだけどさ…』




『いくよ!!』


そう言うと奈々はサヤの手をひっぱり廊下にたまっている那智のチームの元に走る。





『ほらっ!』
奈々はそれだけ言うと教室に帰ってしまった。



『どうかした…?』





那智は心配そうにサヤの顔を覗きこむ。





『ちょっと…話しがあるんだ。』




『じゃあ、俺、ちょっと行ってくるわ!』





那智は仲間にそう言うと体育館の裏にサヤの手をひっぱりながら行く。





『どしたの?』
那智はコンクリートの上にちょこんと座る。




『別れ話なら…きかないよ?』




サヤが
『別れ話なんかじゃないよ!あのね…?』
真剣にいう。





『那智くんのほんとに好きなひとって誰?』




小さな声でサヤはそういう。






『お前に決まってんじゃん。なんでそんなこと聞くの?』





『でも…でも…那智くん…ほんとに好きなひと…サヤ…じゃなくっ…て…。』



サヤは思わず泣いてしまう。





『俺は、サヤが…好きだー』


近所迷惑なんじゃないの?



ってくらいの声で叫ぶ。






『これで証明できた?』


恥ずかしそうに言う那智。





『那智くん…ありがと…ごめんね…なんか。』






『あやまるのは俺のほうだよ…サヤに心配かけちゃって。』




『ううん…いいの…ごめんね…ごめんね…』



サヤはずっとあやまる。




『多分だけど…サヤがそんなこと言ったのって、里香…棚尾里香のことだろ…?』




『え…?』