「………。」

お母さんの声で私は目を覚ました。

「涼風、おはよう。」

「おはよう。電話?」

「うん。お父さんからよ。」

そういえば最近お父さんになかなかあってないけど、元気なのかなぁ……。

「山本さん、検温の時間ですよー」

綺麗な看護師さんが体温計を持ってきた。

「ありがとうございます。」

「検温が終わったらいろいろと検査するので待ってて下さいね。」

そこから先は検査、検査、検査で疲れきっていて自分の病室に戻ってきたのは2時。

「疲れた~」

「お疲れさまぁ!」

ドアから声がした。

「楓!瑠璃!来てくれたの?学校は?」

「今日は実力テストだから早く帰るんだよー。」

そっかぁ……せっかく春休みめっちゃ勉強したのにな……。

「そして、今日はお土産~!」

楓が持っていた袋を受け取って中身を出した。

「おばちゃんの所の大福!」

私達三人でよく行くお菓子屋の大福。

小さいときから行っているからおばちゃんとも仲良くなっていた。

「いただきまーす。」

三人で大福を頬張っていた。

「おーすッ」

またまた声がしたドアの方を見た。

「お前らも来てたのかよ!」

「私達の方が早かった!」

来てくれたのは、啓介と真ちゃんと知。

啓介は啓介で真ちゃんは真叉也は『まさや』のまが真だから『シンチャン』で知は知宏。

私達六人は小学校からつるんでる。

てか、真ちゃんと瑠璃は付き合ってるし。

「皆大福食べる?」

楓が残った大福を見せた。

「食べるってぇの」

三人はこっちにきて食べ始めた。

「涼、大丈夫なのかよ…」

私に話しかけて来たのは啓介だった。

啓介だけ私の事を涼…って呼ぶ。

他の皆は、涼風って言うのに……。