「ピーポー……」

私の嫌いな音が、聞こえた。

この音を聞くと、なぜか震えが止まらない。

何でかわからない。

けど

嫌いだ。

「涼風♪オハヨ。」

後ろから声をかけてきた、楓。

「オハヨ。今日から、3年だね。」

「うん!早く学校行こ?」

走る楓を追いかけようと、足を早めようとすると、体が……止まった…ように、…一時停止して………その反動で、転んだ。

「涼風?大丈夫!?」

私に気付いた楓はすぐにかけよってきた。

「大丈夫!ヘーキッ」

そう言って誤魔化した。

私はこの時に体の異変に気付いてた。
…………なのに、目をそらした。

「血、出てるじゃん。涼風が怪我とか、珍しい。」

持ってた、絆創膏で手当てしてくれた。

「楓、ありがと。」

ハートの絆創膏で少し恥ずかしい。

私には似合わないよ。

「今日は、ゆっくり行こッ」

私を気遣って、いつもは走り回ったり、あっちこっち行く楓もじっとしていた。

私にはそんな楓の優しいところが大好きだ。