「じゃあ、母さん。そろそろ行こうか?」


「ええ。」


「行くってどこにだよ?」


「久しぶりの日本を楽しんでくるさ。」


そう言って、お義父さんと洋子さんは出て行った。


龍矢も私も呆然。


「あっ、美和ちゃん。」


洋子さんが戻って来た。


「はっはい。」


「さっき寝室にあった、ケーキ。残しておいてね。」


「はい。」


今度こそほんとに、出かけて行った。


「疲れる。」


龍矢がつぶやいた。