「美和ちゃん、今度一緒にお墓参り行きましょうね。」


「あっ、はい。」


「それで、母親同士の約束で俺たちは結婚したわけだろ?」


「そうそう。」


あっ、それ。


私も聞きたかった。


「私のお母さん知ってるんですか?」


「もちろんよ。私ね、立花先生の教室に通ってたのよ。」


「そうなんですか?」


「ええ。先生のお菓子が大好きでね。」


「そうなんだ。」


「そのとき、美和ちゃんを何度か見てるの。まだ赤ちゃんだったけど。」


赤ちゃんって、それは覚えてないわ。


「龍ちゃんも、何度か一緒に行ったことがあるのよ。」


「はっ?記憶にない。」