「おいしいです。」


こっちに向かって、にこって笑った。


おいしいって言ってくれるのは、嬉しいんだけど。


その笑い。


嫌い。


貼って付けたような、笑顔。


しょうがないけどさ。


学校では、そーゆーキャラだから。


家のように、笑って。


おいしいって言って欲しかったよ。


「さぁ、そろそろ開店しますか。」


実行委員の子が、声をかけた。


「はーい。」


最後の文化祭の、始まり。