結局抱き抱えられたままリビングらしき部屋に入った。


『あのっ...本当にもう......。』


(緊張し過ぎて変な汗かいてきたよ...。)


『鬱陶しい女だ。俺がわざわざ運んでやってると言うのに...放り投げてやろうか? 』


鋭い瞳と冷たい声。


(...本気だ。)


思わず目を閉じた。


『へっ? 』


柔らかな場所に身体が沈む感触。


王子はソファーにあたしをそっと座らせてくれたみたい。