「それが『ごめんなさい』か……」



先生は、白衣のポケットに手を入れて、私に微笑んだ。



「話してくれて、ありがとう。手……出してみ」



私の手のひらに、キャラメルが一つ。



「ただのキャラメルちゃうで?……魔法の飴ちゃんや」



優しい声色に、私もふっと微笑んだ。



飴ちゃんやって……。



「ありがと……」



「かまへん。……少し手が冷えてきたな……また過呼吸にならんように、もう少し横になり」



先生の手は、私の頭を撫で、背中を支えた。