「施設……やね?」



先生の言葉に、私は頷いた。



「ママが『誕生日が来たら、また来るからね』って……。でも、何度誕生日が来ても……パパもママも来なかった」



「今は……?」



「今は……おばあちゃんが、来てくれて……おじいちゃんとおばあちゃんと暮らして……」



「知ってるおばあちゃんか?」



私は、首を横に振った。



「おじいちゃんは私が、小学生の時に亡くなって……今はおばあちゃんと2人暮らしで……」



先生は、眉間に皺を寄せ、私の頭を撫でた



「里親やね……?」



私は頷き、俯いた



「……小さい頃は分からなかったけど……。おじいちゃんとおばあちゃんには子供が居なかった……から……可愛がってもらってる。ただ……たまに怖い夢を見る」