「迷惑かけたくなかったのに……ごめんなさい……」


か細い声で、彼女は言葉を吐いた



「迷惑?なんで?」



顔を上げた彼女に優しく微笑むと、彼女は柔らかく笑った



「先生は……優しいね。本当にありがとうございます」



この笑顔を独り占めしたい


このすぐ側にある体を抱き締めたい







初めて感じた気持ちに、グッと蓋をした




あかんねや……


この子は、まだ高校生。


俺の気持ちなんて伝えられない。


あの子の未来を壊すことなんて、俺には出来へんのや。



あかんねや……。





~要side END~