最後の私のワガママ…。



空港に行かないといけないのにね。



「じゃあ、あと3分…」



聖夜の大きな手は沙羅の頭をなでる。



沙羅は目をつぶった。



この時を忘れないように。



この想いが消えてしまわないように。



…離れたくないな。



…聖夜、連れ去ってくれないかな。



…もう一度、好きと言ってくれないかな。



「3分経ったよ」



あまりにも短く儚いもの。



もうワガママは言えないね。



沙羅たちは少し離れた。



「沙羅、かわいい」



そう言うと聖夜は沙羅の前髪をかきわけておでこにキスをした。



「聖夜…///」



恥ずかしくてたまらない。



愛しくてたまらない。



二人の気持ちは同じだった。