――父の部屋



「どうだ。読んだか?」



「…はい」



また創也は父に呼び出されていた。



「なんて書いてあった?」



「…ここに行け、と」



創也は父に手紙を見せつけた。



父の顔色が変わった。



「…予想外だ」



「何か、知っておられるのですか?」



「…それは行ってからの楽しみにしておけ」



「…」



「驚いたよ。まぁ、行先が決まったじゃないか」



「…そうですね」



「…心残りか?」



「?」



「沙羅と離れるのは」



「…どうでしょうね」



「ふん。また会えることを期待しておこう」



父は不敵な笑みを見せた。