「待ってぇ!!」


「沙羅、早くおいで」



沙羅は老人の手を握った。



「おじいちゃんの手、あったかぁい」



「そうか、そうか」



顔は見えない。でも、その老人は笑っている、ということが分かる。



「沙羅は大きくなったら何になるんだ?」



この人はおじいちゃん?



「んーとねぇ…ケーキ屋さん!」



「じゃあ、大きくなったら食べさしてくれるか?」



「うん!一番に食べさしてあげる!」



突然、目の前に自分に差し出す手が現れた。



「沙羅、この人はね…」



…ら。



「沙羅っ!」



「!」



…夢?



「…ディナーの時間」



目の前にいるのは創也。



「そう…や?」



夢から現実に引き戻された。