「やったなー!!」
「安海の奴、スゲーッ!!」
「凄いチームワークだったよね!」
試合を観戦していた生徒達が大歓声を上げ、オレ達の元へ集まってくる。周りからバシバシと肩を叩かれながらも、共に戦った仲間達と喜びを分かち合う。すると、背の低い在が人の群れをかき分けてこちらへやってくるのが目に入った。
虚ろな瞳を見て奴が酸欠状態なのだと気付き、近寄っていって引っ張り出してやる。小さいと、人混みの中は無酸素空間に等しいのか。大変だな。
「在、大丈夫か?」
「う、うん……一瞬、死ぬかと思ったよ……」
ありがと、と口にした親友の息が調うのを待つ。みんなに「在、ごめん。潰すとこだったんだな」などと言われながら、奴は微笑する。その唇が再び動こうとした、その瞬間。オレの耳に、非常に耳障りな音声が飛び込んできた。
「健ちゃんすごーいっ!ますます好きになっちゃった!!」
――この呼び方は……脳が不快感を訴え、胸がざわめく。振り向きたくなかった筈なのに、反射的に振り向いてしまった。そうしたら、例の金髪女が向かって右側の小窓から顔を覗かせていたのだ。
「あらら、琥珀ちゃん一途だねー。そういうとこは俺に似てるかな。」
何やら楽しげな口調の在。いつの間にこの女と親しくなったんだ。そう思ったら、思わず溜め息が出る。
――お前がこいつと仲良くなったら、オレの周りに出没される確率が上がるじゃないか。本当に、この馬鹿は。
「安海の奴、スゲーッ!!」
「凄いチームワークだったよね!」
試合を観戦していた生徒達が大歓声を上げ、オレ達の元へ集まってくる。周りからバシバシと肩を叩かれながらも、共に戦った仲間達と喜びを分かち合う。すると、背の低い在が人の群れをかき分けてこちらへやってくるのが目に入った。
虚ろな瞳を見て奴が酸欠状態なのだと気付き、近寄っていって引っ張り出してやる。小さいと、人混みの中は無酸素空間に等しいのか。大変だな。
「在、大丈夫か?」
「う、うん……一瞬、死ぬかと思ったよ……」
ありがと、と口にした親友の息が調うのを待つ。みんなに「在、ごめん。潰すとこだったんだな」などと言われながら、奴は微笑する。その唇が再び動こうとした、その瞬間。オレの耳に、非常に耳障りな音声が飛び込んできた。
「健ちゃんすごーいっ!ますます好きになっちゃった!!」
――この呼び方は……脳が不快感を訴え、胸がざわめく。振り向きたくなかった筈なのに、反射的に振り向いてしまった。そうしたら、例の金髪女が向かって右側の小窓から顔を覗かせていたのだ。
「あらら、琥珀ちゃん一途だねー。そういうとこは俺に似てるかな。」
何やら楽しげな口調の在。いつの間にこの女と親しくなったんだ。そう思ったら、思わず溜め息が出る。
――お前がこいつと仲良くなったら、オレの周りに出没される確率が上がるじゃないか。本当に、この馬鹿は。