物心ついた頃から、登下校を共にしていた俺達。小学校低学年の時は、何処へ行くにも一緒だった。でも、従姉(いとこ)の遊び心で某モデルオーディションに俺の写真を送られてから、状況は一変した。
当時は、色んな服が着られるから面白そうだなと思って仕事を始めた。特集されるテーマに合わせて表情を変えるのも、演技をしているみたいで楽しかった。
だけど、有名になるにつれて、大切な人に会える時間が減っていって。側に居ることさえも十分にできなくなった。こうして肩を並べて歩くことも、今では稀になってしまった。
「……美隼!さっきからずっと難しい顔してるよ?」
甘いトーンが急に耳へ入ってきたから、心臓が跳ね上がる。動揺を悟られないようにするのは慣れているから、平生を装って返事をした。
「あぁ、ごめん。そういえばお前、大丈夫だったの?あの後比奈子ちゃんに何か言われなかった?」
「……うん、大丈夫!れみ達が慰めてくれたし。りっこが飯島さんに文句言いそうになって大変だったけどね。」
真奈瀬はそう言って苦笑する。とりあえず、女子特有のドロドロな展開にはならなかったようだ。
当時は、色んな服が着られるから面白そうだなと思って仕事を始めた。特集されるテーマに合わせて表情を変えるのも、演技をしているみたいで楽しかった。
だけど、有名になるにつれて、大切な人に会える時間が減っていって。側に居ることさえも十分にできなくなった。こうして肩を並べて歩くことも、今では稀になってしまった。
「……美隼!さっきからずっと難しい顔してるよ?」
甘いトーンが急に耳へ入ってきたから、心臓が跳ね上がる。動揺を悟られないようにするのは慣れているから、平生を装って返事をした。
「あぁ、ごめん。そういえばお前、大丈夫だったの?あの後比奈子ちゃんに何か言われなかった?」
「……うん、大丈夫!れみ達が慰めてくれたし。りっこが飯島さんに文句言いそうになって大変だったけどね。」
真奈瀬はそう言って苦笑する。とりあえず、女子特有のドロドロな展開にはならなかったようだ。