『美隼、休憩だ!お疲れ様!』
『はーい。ちょっと電話してくるね。』
フランス語にも少しだけ慣れてきた、暖かいある日。久し振りに、遠くの恋人に、電話で連絡を取ってみようと思った。
多分そろそろ、メッセージのやり取りだけじゃ足りないって言われる頃だと思うから。通話していいかと聞いてみたら、すぐに“パソコン起こすから待ってて!”と返ってきて、思わず笑ってしまった。
「もしもし。そんなに俺からの電話待ってたわけ?」
「だって!1週間も美隼の声聞いてないんだよ!?お仕事だって分かってるけど、早く撮影終わらないかなぁって、毎日考えちゃうよ……」
「……お前には、照れるとかそういう感情がないわけ?ちょっとびっくりしたじゃん。」
「え、何のこと?」
「……もういい。気にしたら、俺の負けだ。それより、滞在は元々1ヶ月って決まってるんだから、あと2週間くらいの辛抱じゃん。それくらい我慢できるだろ?」
電話の向こうで、微かな唸り声がする。写真集の撮影でパリに長期滞在することが、まさか真奈瀬の機嫌をこんなに損ねるなんて思わなかった。でも、俺としては、待ってくれてる人が居るから、仕事頑張れるんだけど。そう口にしたら、何だかんだで嬉しそうな声が返ってきた。
『はーい。ちょっと電話してくるね。』
フランス語にも少しだけ慣れてきた、暖かいある日。久し振りに、遠くの恋人に、電話で連絡を取ってみようと思った。
多分そろそろ、メッセージのやり取りだけじゃ足りないって言われる頃だと思うから。通話していいかと聞いてみたら、すぐに“パソコン起こすから待ってて!”と返ってきて、思わず笑ってしまった。
「もしもし。そんなに俺からの電話待ってたわけ?」
「だって!1週間も美隼の声聞いてないんだよ!?お仕事だって分かってるけど、早く撮影終わらないかなぁって、毎日考えちゃうよ……」
「……お前には、照れるとかそういう感情がないわけ?ちょっとびっくりしたじゃん。」
「え、何のこと?」
「……もういい。気にしたら、俺の負けだ。それより、滞在は元々1ヶ月って決まってるんだから、あと2週間くらいの辛抱じゃん。それくらい我慢できるだろ?」
電話の向こうで、微かな唸り声がする。写真集の撮影でパリに長期滞在することが、まさか真奈瀬の機嫌をこんなに損ねるなんて思わなかった。でも、俺としては、待ってくれてる人が居るから、仕事頑張れるんだけど。そう口にしたら、何だかんだで嬉しそうな声が返ってきた。