大学生になったあたしは、相変わらずソフトボールをやっている。勉強は友達に助けてもらいながら、とにかくスポーツ漬けの毎日。そんな日々を送っていたら、アマチュア選手を取材する雑誌に取り上げられることも増えて、充実した毎日を送っている。
「佐桜花、そのお弁当って手作りなの?超おいしそうじゃん!」
「うん、一応……」
「へぇー……料理できなさそうなのに意外だね。山沖さんって、結構家庭的なんだ。」
「あ、ダメだよ内山君!さおちゃんは彼氏いるんだから!ねー?」
「え、誰だれ?この学校の人?」
興味津々な友達に、「知りたかったら、途中まで一緒に帰れば分かるよ」とだけ返しておく。そうして午後の授業もこなしてから、それぞれサークルやバイトに分かれて、今日も大学での一日が終わった。
仲間達とお喋りしながら歩いていると、門の所で女の子達が騒いでいるのが目に付いた。彼女達は、こんなことを言っている。
「ねぇねぇ、あの子可愛くない?高校生かな?」
「兄弟でも待ってんのかな?凄く綺麗な顔……」
自分が話題にされていることなんて気付いていないのか、さらさらの黒い髪を風になびかせながら、壁にもたれている男の子。身長は、最近少し伸びたみたいで、あたしとほとんど変わらないくらいになっている。
制服姿の男の子が、ふいにこちらへ振り向いた。一緒に居た友達が「えっ、かっこいい!」と声を上げた時、男の子があたしに走り寄ってくる。香子が居たら、“飼い主に散歩に連れて行ってもらえることが嬉しくてたまらない犬だ”と言うだろう。
「佐桜花さん、部活お疲れ様です!あっ、大学ではサークルって言うんでしたっけ?」
「うん。でも、細かいことは気にしない!ていうか、お腹空いたし、早くなんか食べに行こうよー……」
「通常運転だなー……久し振りに会えたのに、もっと喜んでよ。」
「はいはい。そっちこそ、テストお疲れ様でした。じゃあ、あたしは竜泉君とご飯行くから。みんなバイバーイ!」
仲間達に手を振って、彼と手を繋ぐ。今日のワンピース、思い切って短めの丈にしてみたんだけど、変じゃないかな……そう思っていたら、隣から、「そのワンピース、初めて見た。可愛いですね」と聞こえてくる。びっくりしたので、思わず変な声が出て、竜泉君に笑われてしまった。
「佐桜花、そのお弁当って手作りなの?超おいしそうじゃん!」
「うん、一応……」
「へぇー……料理できなさそうなのに意外だね。山沖さんって、結構家庭的なんだ。」
「あ、ダメだよ内山君!さおちゃんは彼氏いるんだから!ねー?」
「え、誰だれ?この学校の人?」
興味津々な友達に、「知りたかったら、途中まで一緒に帰れば分かるよ」とだけ返しておく。そうして午後の授業もこなしてから、それぞれサークルやバイトに分かれて、今日も大学での一日が終わった。
仲間達とお喋りしながら歩いていると、門の所で女の子達が騒いでいるのが目に付いた。彼女達は、こんなことを言っている。
「ねぇねぇ、あの子可愛くない?高校生かな?」
「兄弟でも待ってんのかな?凄く綺麗な顔……」
自分が話題にされていることなんて気付いていないのか、さらさらの黒い髪を風になびかせながら、壁にもたれている男の子。身長は、最近少し伸びたみたいで、あたしとほとんど変わらないくらいになっている。
制服姿の男の子が、ふいにこちらへ振り向いた。一緒に居た友達が「えっ、かっこいい!」と声を上げた時、男の子があたしに走り寄ってくる。香子が居たら、“飼い主に散歩に連れて行ってもらえることが嬉しくてたまらない犬だ”と言うだろう。
「佐桜花さん、部活お疲れ様です!あっ、大学ではサークルって言うんでしたっけ?」
「うん。でも、細かいことは気にしない!ていうか、お腹空いたし、早くなんか食べに行こうよー……」
「通常運転だなー……久し振りに会えたのに、もっと喜んでよ。」
「はいはい。そっちこそ、テストお疲れ様でした。じゃあ、あたしは竜泉君とご飯行くから。みんなバイバーイ!」
仲間達に手を振って、彼と手を繋ぐ。今日のワンピース、思い切って短めの丈にしてみたんだけど、変じゃないかな……そう思っていたら、隣から、「そのワンピース、初めて見た。可愛いですね」と聞こえてくる。びっくりしたので、思わず変な声が出て、竜泉君に笑われてしまった。