「……アイツのスケジュールを妹から聞いて、今度一人で会いに行ってみる。何か理由があるなら、ちゃんと聞いておきたいからな。」

「……そっか。うん、分かった!」



 頑張れよ、と背中を叩いてくる在。小さい友人の大きなパワーに後押しされて、オレはようやく、琥珀と向き合う決心が付いた。

 これまで人を好きになったことがなかったから、初めての気持ちに戸惑うのだけど。分からないなら分からないなりに、模索しながら進めばいいのかなと思う。勉強だって、最初から何もかも上手くいっていた訳じゃない。少しずつ理解を深めて、ここまでできるようになったのだから。

 白い霜の化粧をしている草を横目に、ゆっくりと歩き始める。結果がどうなるのかは、オレにも分からない。だけど、素直に伝えてみようと思った。胸の中でくすぶっている、この思いを、キミに全部。