―――To 啓輔―――


 放課後舞希ちゃん教室に残ってるってさ。

 生徒会の仕事終わったら、教室行ってね?

 一緒に帰ってねー!

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  メールの送信を終え、携帯の画面から梨海ちゃんに視線を投げた。

「ヒドイ女だね。梨海ちゃんは」

 あら? と今頃ですか、と言った感じに微笑む。それがあまりにも千紗にダブって、ため息をついた。

「舞希ちゃんのため、じゃないでしょ?まあ、確かに面白そうだけどやり過ぎなんじゃない?」

「ふふっ。さすが神崎先輩。勘がするどいですねぇ。……やり過ぎ?このくらいやらなきゃ、舞希は気付かないわ。5年気付かなかった罰」

 そういってにこっと笑う梨海ちゃんは、本当に舞希ちゃんが幸せならいい、と考えてるみたい。

 「じゃ、優衣を頼みます」と軽く会釈してから背を向けた。

 それからすぐ後に優衣が「遅くなりました」とふわりと微笑む。

「お待ちしてました、姫。 さあ」

 片手を優衣に差し出し、もうひとつは胸の前に。