あー、もう何やってんだろ。
バスもう出ちゃったよぉ~(泣)
次来るの待ってたら入学式始まっちゃう。
あー、どうする?
もー、どうしよ。

知らず知らずのうちに
バス停の周りをくるくる回っていたあたし。
そこに

―キィー

『あんた、桜坂高の制服・・』
「へ・・・?」

なになに?
こんなときに不審者?

『遅刻するよ』
「十分承知しております」

あれ・・・よく見たら
この人も桜坂高の制服着てる・・・
てか・・何してんだあたしは。

『あ、待って。1年?』
「そ・・そーですが何か?」
『俺も1年。しかも遅刻組み~』
「あ、そうだったんだ」
『俺は桜木海斗。お前は?』
「あーっと、矢崎明里。」

おいおい、
あたしは何空気に流されて
のんきに自己紹介なんてしてんだ

『よし、明里。後ろ乗れ!』
「はい・・?」
『入学式から遅刻はありえねえだろ
 えんりょしないで乗れ』

そう言って
ポンポンと、荷台をたたいた。

「え、いいの?」
『いいっつってんだろ。早く』

あたしの腕を引っ張って
荷台に座らせた。

『かっ飛ばすから捕まれ』

あたしは会って5分ほどの彼の
腰に手をまわした。

彼の背中は大きくて
いいにおいがした。
綺麗な茶髪に、綺麗な瞳。
顔も今まであたしが出会った中で
1位にくいこむほどかっこよかった。
・・・完璧だ。こいつ。


運命の出会いは突然訪れる。
それが運命なのか、そうでないのか
それはすぐ分かることでわない。
・・なんて夢のような事を言う人がいる。
けど、それがもし本当なら
あたしたちの運命は
今日ここから始まったのかもしれない。