「何してんの。」
しばらくして顔をあげると、新太がいた。
「…もしかして宮内、雷怖いの?」
まどかは慌てて首を横に振った。
「怖いわけないよ。子供じゃないんだから。」
まどかはそう言ってまた力なく笑うと鞄をつかんだ。
「何か今日、変じゃない?」
新太がまどかの額に手をあてる。
「やっぱり、熱ある。何で誰かに助けてもらわねぇんだよ。」
その言葉にまどかは反論した。
「誰に助けてなんて言うの?助けてくれるのも、偽物の気持ちなのに。」