何とか家にたどり着いたまどかはびしょびしょだった。
「まどかどこ行ってたんだよ?腹減った…まどか?何でそんな濡れてんの!?」
唯一の家族の弟が、慌ててタオルを持ってくる。
「ごめんね皐。」
狭苦しい小さなマンションで、まどかは中学2年生の弟と暮らしている。
「そんなのいいって。それより熱あるじゃん!」
皐は熱のあるまどかをベッドまで運んだ。
「まどか大丈夫??」
「もぅ、お姉ちゃんでしょ?大丈夫よ。」
意識が遠のいていく中で、数時間前に見た新太と女性の光景がまどかの頭にうかぶ。