「あっ…。」
まどかが見たのは、綺麗な女性と楽しそうに話しながら出てくる新太だった。
思わずまどかは隠れた。
「あら、雨が降ってきたわ。って新ちゃんどうしたの?キョロキョロして。さがしもの?」
女性が新太に言う。
新太は笑う。
「何でもないよ。雨酷くなるな。早く帰ろう。」
雷も鳴り出した。
まどかは驚いて叫んだ。
暗闇と雷がまどかは一番苦手なのだ。
「何か聞こえなかった?」
「さぁ、猫じゃねぇの?」
女性と新太は傘をさし帰って行く。
まどかは目を閉じ、耳を塞ぎ、しゃがみ込んだまま身動きがとれなくなってしまった。