「あのぅ…」
「……なんだよ」
「助けて欲しいんじゃが」
すると狼が首を傾げた
「こんな声の奴いたか?」
私の方に振り向いて言うので、私は狼に向かって言った
「いないと思うけど」
「バカ、下だ」
孤白が下を指差した
「下…?」
「うわぁ!?」
私の足元には、ネズミほどの小さなおじいちゃんが立っていた
「気付いていただけましたか…」
「あんた誰だよ?」
狼がしゃがんで聞いた
「わしの名は…白銀政文【シロガネノマサフミ】といいます」
「ふーん…ちっこいなぁ…じいさん」
「おまえこそ犬だろう…、それはいいんじゃがわしの村が今大変なんじゃ」
「俺らには関係なくね?」
「そこを頼む!助けて欲しいんじゃ」
「助ける?」
「わしの村は今、神隠しに会う者が多数でてきていてのぅ…」
「みんなちっこいからしかたねーんじゃないのか?」
「ばか者!これは奴の仕業しかありえん!!」
「奴…?」
孤白が眉をピクッと震わせてあのおじいさんに聞いた
「食魔鏡【ショクマキョウ】じゃ…」