いつの間にか夜は明けて、朝日がこちらに差し込んでいた

「げ、もう朝かよ」

「結局私たち、一睡もできなかったってわけよね?」

「すまない、我らが襲ったばっかりに…、本当に申し訳ない」

「そうだよバーカ!バカ狐野郎、おまえのせいで予定がパーだ」

「くっ…何気に狐野郎からグレードアップしているが、言い返す術がない」

「いいよ、別に。たしかに眠たいけど、もう起きちゃった事は仕方ないし」

私はなだめる様に言った

「…ありがとう、恩にきる。ところで、桜田様達は何をしに旅をしているのだ?」


「……あの…私見ての通り、この時代の人間ではないの」

「この時代の人間ではない?おまえは来世の人間なのか?」

「う…うん」


「ちなみに俺は、こいつを兄のとこに案内するために付いていってるんだ」

「そうなのか、この犬っころはおまえを襲ったりしないか?俺の時みたいに」

「ないよ、大丈夫」

「違う意味の襲う、だ」


孤白はニヤリと笑うと、狼は真っ赤になっていた