狐も驚いたようで、唖然としていた
「その狐、まだちゃんと優しい心を持ってるよ。まだやり直す事もできるんだよ」
「こんな怖い思いして、まだこの狐を助けるっていうのか?」
「…怖かった…けど、無意味な殺しあいはしたくないから…」
そう言うと狐は笑った
『無意味だと、小娘。我らはおまえたちを食べるために殺そうとしたのだ、その犬はおまえのために戦ったのだぞ』
「だけど…」
「ったく…、わかったよ。おまえがそう言うんなら俺は殺さねぇ」
『おまえたちはどこまで人が良過ぎるのか……』
そう言って狐は笑った
優しく
すると狐を作っていた影はみるみるうちになくなり、1人の男の人が現れた
「ならば誓おう、我はおまえたちに身を助けられた身、命のかぎり尽くそう」
それがまた美形で、私は心底驚いた
「なんか下僕が増えたぞ」
狼は脳天気に笑っている
「げ…下僕?貴様、せっかく我が尽くそうと言うのに…犬っころが」
「あぁ?やるのか狐野郎?恩を仇で返すような事言って…ブッ殺スぞ!」
「ほう、殺るのか…殺ると言うのかー!!?」
「上等だクソ狐、舐めんなよ!!?」
早速喧嘩勃発
有り得ないコンビだ…