『おのれ…邪魔な犬っころめ…』
何処からともなく、地響きのように暗い声が響いた
「犬っころ…?」
ピクピクと耳を震わせて狼が言った
「俺が犬っころなら貴様は狐野郎だ!」
へんっ!と言いながら舌をだして指を前に出した
『言ってくれるな、犬っころ』
ズズズズと黒い影が集りだして、だんだんと形を整えていった
「うわぁお☆」
「でかい…よ」
巨大な妖孤の姿になり、襲いかかってきた
「あはははは!やばぃな」
そう言って私をお姫様抱っこした
「…!ちょっと!!」
「引き続き、強行突破だ!」
と言い、私を抱えたまま有り得ない速度で狼は走りだした
「…!!!」
『貴様!我らが追いつけぬとでも思っているのか!』
と狐がいい、また形態を崩し、影となって追いかけてきた
影となれば、もちろん実体のある狼と私よりかは早い
すぐに追いついてきた