そうと決まれば、彼の行動は早い
くるっとまた宙返りして、犬の姿にもどり歩きだした
「早く行くぞ!」
「…うん!」
私は彼について行く事にした
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―――…
日が暮れ始め、夕焼けが輝いてきたころ体力も限界になっていた
「…疲れたよ…」
「んだよだらしねーな!だけど、正直俺も疲れたんだよね…休むか」
「え?ここで!?」
「なんだよ、不服か?」
「寒いし外だし、どうやってこんな中で眠るのよ?」
「犬なら寝れるぜ?あ、そうか。おまえは人間だったな…」
う~ん狼が考えこんだ末に、ある事を思い付いたように顔を上げた
「あそこの旅館へ行こう!」
狼が指さした先には、豪華な神殿とも言える旅館があった
「あれ…、この旅館さっきまでここにあったっけ…?」
「つべこべ言うな!今あるのだからいいだろう?」
「う、うん」
狼は仕方なくまた人間の姿に戻り、旅館に向けて歩いて行った
私も、微かな違和感を抱きながら狼の後ろをついていった