『春留ー。何やってんのー?』

女性の声が家の中から聞こえた。

「あッ、ごめん、そろそろ戻るね。」

「ハイッ先輩、また明日」

「うん、さようなら。」

明李の挨拶と一緒に軽くお辞儀をした。

カチャ。

静かに家のドアがしまった。


気づけば真っ暗になっていた。

なぜか沈黙が続いた。

「もう暗くなっちゃったね。」

俺は沈黙を破ろうと会話を作った。

「そだね……ひゃッ!!」

小さな物音で驚いている明李はいつものハキハキした性格とギャップを見せていて少し可愛かった。

「じゃ、俺こっちだから。」

分かれ道に来て、自分の行く方向を指して言った。