「先輩、生徒手帳落としましたよ」

カメラに手帳を向けた。

《ホント!?わざわざ持ってきてくれたの?》

ガチャ


「ありがとう。あら?あなた今日廊下であった…」

「あッ、宝城大介です。」

「私、真宮 春留(マミヤ ハルル)です。」

丁寧にお辞儀した。

上品さが俺まで伝わってくる。

「こいつが手帳拾ったんですよ」


「そうなの?ありがとう。助かったわ。」

手帳をいっそう強く握りながら言った。

「何か中に書いてあるんですか?」

「あー…いや、ちょっとしたおまじないなんだけどね、」

焦ったような困ったような、曖昧な表情を見せた。

「みてないよねッ?」

焦りながら聞かれた。

「もちろんですッ」

そう言うと優しい笑顔を見せてくれた。

「そうだッ!今からアドレス交換しちゃいません?」

明李の提案に流され携帯を取り出した。

ー……

「はいッ、完了ッいつでもメールしてね。」

春留さんはニコッと笑っていった。