「あんたがここまで地味だとね、幼なじみってだけであたしが馬鹿にされるのよ。」
「そのわりにはいつも話し掛けてくるよね。」
「同情よ」
「でた、本心」
思い返せば、明李の「同情」は、ずーっと続いてきていた。
小学校のころも、中学校に入っても、高校に入ってちょっと経つ今も。
違うクラスでも、一日一度は俺の元へ来ていてくれた。
感謝しないとな。態度でかいから口には出さないけど。
「髪とか、長すぎない?邪魔でしょう?この際切っちゃいなさいよ。いい美容室知ってるわよ」
「どの際だよ・・・。まぁでも邪魔だし。切るくらいなら。」
そういえばここ最近、・・・1,2年くらい散髪なんてしてなかった。
特に何かのために切らなかった訳でもないし、何かに没頭してて忘れていた、何てこともありえない。
一体俺は今まで何して生きていたんだろうか。
明李はメモ帳にがりがりと文字を書き出していた。
「今日の放課後、早速行こうかっ」
その紙をポケットに仕舞い、嬉しそうに言った。