今にも超音波を発しそうな高い声の真綾は右を向いた。

「あッ!明李!」

「…何か用?」

いつもに増してトゲが増えたような気がした。

明李に走って近寄る。

「今日さ、一緒に帰んない?喫茶店寄るんだけど」

逃げようとする明李の手をすかさず掴み

頭を掻きながら言った。

明李は笑顔を見せかけて、遥と真綾と周辺に集まっている女子をみて、答えた。

「何言ってんの?先約アリでしょ、」

「ちッ違うよ、あれは…」

「何が違うの?楽しんできなよ!じゃ、バイバイッ!」

あははと笑って掴んでいた手を振り払った。

「なんだよ…」

怒ってるのかよく分からなかった。

「何だ?大介、明李のこと怒らせちゃった?」

冷やかすように頬をつつく。

「…早く行くぞッ」