「・・・嘘だよね??」
「・・・・・」

「ねぇ?」
「・・・・空。」

海都兄が優しく
背中を擦ってくれたけど
体は震えたままで・・・

擦ってくれている
海都兄の背中も
小さく震えていて。


「雪綺・・・・」

お父さんはふらふらと
座り込んでただ一点を
見つめ続けていた。



―――手術室の扉だけを。


この日から私たちの
家族は壊れ始めたんだ。