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――あれは2年前・・・

俺がまだ
女だった頃―――

急に母さんが倒れて
病院へと搬送された。

「母さん!!
 しっかりして!!」

「おきてよ!!」


搬送される救急車の
中には俺と海都兄の声が
交互に響いていた。


――――病院に着いて
しばらくすると父さんが
息を切らしながら
走ってきた。


「海都!空!」

「お「父さん!!」」

「・・・雪綺は?」

「治療室の中・・・」
「・・・面会禁止なの」


「・・・なんで急に・・・」


―――治療室の明かりが
消えて、扉が開いた・・・


「雪綺は??」


「・・・奥さんは・・・」

「母さんは・・・?」
「無事なんですよね??」


「先生!!雪綺は!?」

「・・・残念ですが・・・」

先生は俯いてそっと告げた。

その場の空気が一瞬にして
凍りつくのが分かった―――